高校卒業してすぐだった。
海に入っていると、デカい波にのまれた。
いつもの様にジタバタせず、ただ浮かぶのを待つ。
やっと海面が出て来た。
思いっきり空気を吸おうとした瞬間、こちらに向かってノーズが突進して来た!
避ける間も無く首にノーズが命中!
恐る恐る首を触ると・・・
赤いものが。
とりあえず上がり、近くにいた仲間に首どうなってる?と聞いた。
すると仲間は・・・
あ〜〜〜〜
見ない方がいいよ。
すぐ救急車呼ぶから。
救急車に乗せられ病院へ。
連絡を聞いた親父が病院に来た。
それからすぐ手術室に入れられ何針か縫われた。
後2cmズレてたら死んでたよ。
そう先生に言われたが、大して気にしていなかった!
家で親父にこっぴどく怒られたが、そんな事より明日の波が気になる。
朝家を出る時にサランラップを台所からくすめ海に向かった。
仲間達は心配そうだったが、俺はサランラップ持って来たから大丈夫!
真空パック!
そう言って首にサランラップを何重にも巻いて海に入った。
上がってくると真空パックは意味が無く、傷口は海水でびしょびしょ。
それから数日後、またサランラップが無くなったので台所からクスめた。
その夜お袋が「最近サランラップが無くなるんだけど知らない?」
そう聞かれた。
俺は知らぬ存ぜぬでシラを切った。
後から知ったが、バレていたらしい。
縫った次の日から海に入ったお陰で、傷はなかなか治らず大変な思いをした。
傷口にサランラップは意味がない。
良い子は真似しないように。
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