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  • 執筆者の写真Mr.B

ファストファッションとオートクチュール



洋服の業界も徐々にファストファッションが占める割合が増え、ブランド品は売れなくなって来ている。

これは仕方ないと思う。



日本はここ30年経済成長が無い。

他の国は3〜10倍成長しているのに、日本だけが成長しない。

これに関してはまた違う機会に話そう。


賃金は上がらないのに物価は高騰を続ける。

これではどんどん生活が苦しくなる一方。


当然自分に投資出来ず、洋服もファストでいいか…

こんな人が多いはず。



ファストファッションと言っても今はデザイン性、機能性とかなり進化している。

これでは買うなと言う方が無理な話。


勿論自分達のサーフィン業界も安売りネットブランドが参入し、価格破壊が起きてしまった。

これも時代の波。

日本が裕福ならこうはならなかった。


では国産メーカーはどうすべきか?

あるメーカーは180度方針を変え、価格競争に飛び込んだメーカーもある。

売り先もサーフショップからネットにシフトしたメーカーもある。

時代の波に負け倒産したメーカー、身売りしたメーカーもある。


今までサーフィン業界で頑張って来た国産メーカーにとって今が一番氷河期かも知れない。

動いているのはネットの安売り品ばかり。

非常に悲しい現実。


BGZは?

今も昔も全く変わらず、一軒一軒お店をまわり昔ながらの昭和スタイル。

安売りも一歳いたしません。


欲しい人だけ手に取ってくれればそれで良い。

安売りして薄利多売しても意味が無い。


昔、山下達郎が日本の音楽業界に一言物申した事がある。

大量に音楽を作り、一曲当たれば良い。

そんな数打ちゃ当たる的な音楽業界に言った言葉が俺は好きだ。


『私が作る音楽は作品なんです。だから時間もかける。妥協もしない。何十年経っても色褪せない音楽を作る。今の大量消費の音楽と私の音楽は違う』


俺の記憶ではこう言うニアンスだったと思う。

俺もこの言葉に大いに共感した。


俺にとってウェットは作品そのもの。

一人一人のサイズを見て、この人にはここのサイズを広げよう。

この人は絞ろう。

1mmも妥協しない。

時間もかける。

一人一人が最高の着心地を体感して欲しいので、オーダー料も一歳頂かない。


俺のウェットはファストファッションでは無くオートクチュール。

俺がウェット屋を辞める時は、サーファーの皆の意識がファストファッション化し、オートクチュールに価値を持たなくなった時。


俺のお役目も終わった時だね。

でもどうだろう?

皆がお金の心配が無くなり、自分の好きな物を好きなだけ買えるような時代が来たら…


態々お金があるのに調子の悪いノーマークのネットスーツ買いますか?

今まで手が届かなかったが国産で自分が好きなブランド買うでしょ。

俺はそんな時代が近い将来『必ず』来ると信じている。

その時の為に、昔からブランドイメージを大切にして来た。



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