日本が世界に誇るダイビングメーカーアポロスポーツ。
俺が20代前半の頃、先代の社長さんに大変可愛がって貰った。
お金が無い俺を「飯食べに来い」と誘ってくれ家に招いてくれた。
アパートの自宅に電話が無いと知れば、電話ぐらいつけろとお金をくれた。
俺はそんな優しい社長に恩返しが出来ないまま三十年以上経ってしまった。
コロナが出回った頃お亡くなりになったと聞いた。
その後会社は社長の娘さんが継いだそうだ。
縁ありまたアポロスポーツに行く事になった。
現社長の娘さんに、先代の社長には大変お世話なったと話をすると、一緒にお墓に行って欲しいと言われ昨日お墓参りに行って来た。
俺の車に社長さんを乗せ一緒にお墓に向かう。
雨が降る寒い昨日。
お墓が近づくにつれ雨がみぞれに。
お墓に着き歩いていると、みぞれから雪に変わった。
自分達以外、誰一人居ない。
深々と降る雪の中、お墓に手を合わせあの時のお礼を伝えた。
その時の光景は、まるで映画のワンシーンの様な不思議な時間。
その後車に乗り帰り道ではまた雪から雨に変わった。
雪が降っていたのはお墓にいる時だけ。
先代の粋な演出に感動した。
そんな訳で、またアポロスポーツの仕事をお手伝いする事になりそうです。
先代が頼むな。
そう言っている気がした。
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